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今まで当たり前のようにできていたことが出来なくなることは、その方自身が一番辛くて不安な気持ちではないでしょうか?問題行動と言われる認知症による様々な行動は、実は認知症の方からしてみると「正当な世界」であり、正しいと思っているからこそ「する行動」であり、「不安な気持ちを解消するための行動」つまり、見方を変えると問題行動という表現すら適切ではないということになります。認知症の方は決して「誰かを困らせよう」などと思っていろんな行動をしているのではありません。「病気がそうさせている」と思うことで、その方のいろんな行動が見えてくることも多いということを知っていて欲しいのです。
現在、認知症の患者数は約208万人と推計され、その数は高齢化とともに増加の一途をたどっています。2015年には300万人にまで膨らむと予測されています。認知症という病気は、ある意味、「長生きが生み出した病気」であるにも関わらず、まだまだ偏見の対象にあり、日々のお話の中で「ボケた」ことを隠したい気持ちの方が強いことを感じます。
しかしその反面で、認知症は正しい理解をもって接することで変化がある病気であることも事実なのです。現代の医学において、認知症の治療に関しては研究段階であり、有効な治療薬はないのが現状です。つまり、だからこそ、「ケア」が活きる病気でもあるのです。その方自身を知ることこそが「認知症のケア」を知ることに密接につながっていると思います。
私達は、認知症をキレイな言葉だけでまとめるつもりではないのです。実際にお家で認知症の方を看るご苦労が判るほど簡単ではないこともちゃんと判っています。だから、現在、相談に対応しているセンタースタッフは、いつも「もしそうなったら(=自分自身が介護者になったら)・・・(自分は)どうしようかな?」と考えながらお話を聞いています。
そうやって考えながら対応させていただいているうちに、いつの間にか、認知症は「人の数だけある人生論」だなと思うようになりました。がんばっておられるご家族にお会いするたびに、心の中で「ありがとうございます」と頭を下げています。いろんな介護者の方の成功談や失敗談が当センターの糧となっているようです。そして、私達が、いつも受ける「疑問や質問」あるいは「不安」をどうとらえ、そして、どう伝えていくかが課題です。今はまだ明確な治療法のない認知症のイメージをほんのわずかでも変えていくきっかけになればと思うのです。 |
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認知症は「あれ?変かな?」と思うことがあっても、一旦落ち着くことが多いので「歳をとったから・・・」というご家族の認識により、見過ごされることも多い病気です。ある程度時間が経過してから、対応や日々の生活に「本当に困った状態」になってからの利用が多いようです。しかし、加齢相応の物忘れと認知症による物忘れは違います。「あれ?変かな?」と感じた時こそ、1日でも早く当センターをご利用いただけることをお待ちしております。
おひとりおひとりに応じたケアを1日でもはやく提供するために・・・ |
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